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2024年3月レッスンふり返り

3月は、旅立ちの季節ですね。

NARI音楽教室でも、進路を優先するため仕方なく、あるいは自分で考えた結果として、レッスンを辞めた(長期休みにした)人たちがいます。

 

再会を願って

 

「練習しないなら辞めなさい」と親から言われたわけではなく、本人から親に言い出し、その親御さんから私に相談がありました(たいてい親は続けることを希望していました)。

それから本人と私で話をして、一度ピアノから離れるのもいいかもしれないね、となって、再度親御さんにも連絡する、ということがほとんどでした。

 

私としては、レッスンを続けていくと得ることも多いですし、音楽だけでなく、たとえば人間関係の悩み事でも、両親以外の大人に話すだけで心のリフレッシュにつながる、ということを声を大にして言っています。

ですが、自分で考え決めたことを尊重したいという思いもあります。

それなりにさびしい気持ちもありますが、生徒さんが自分の意志を持ち、それを伝えてくれたことを、喜びたいと思います。

もう一度、本気で弾いてみたい、レッスンに行きたいと思ったら、いつでも来たらいいんです。

 

10年以上来ていたSくん

 

その中から1人、年中さんから10年以上レッスンに来ていた生徒さんについて、軽く紹介します。

きっちり(という言い方も変ですが)自分の進路を決め、レッスンに来る時間が取れないということで、お母様と二人であいさつに来てくれたSくんです。

 

初めて彼に会った時は、こちらにも発達障がいの知識がなく、びっくりの連続でした。

体験レッスンの時に、この狭いレッスン室を端から端まで走り回って、一度は断られたとお母様は思われたそうです。

あとから私が電話をかけて、「ほんならレッスンに行っていいんや」となったとか。

私は全く忘れてましたが……(今回あいさつに来られたお母様がお話ししてくださり、思い出しました)。

 

彼は診断を受ける程ではありませんが、あきらかにASDの傾向がありました。

幸いにも、レッスンが始まってみると、ピアノに向かっている時はおとなしく、机上の時間も呑み込みが早かったです。

リズムや手の動きで少し困っても(なかなか思うように出来ず、いすの上に丸くなってしまう)、ほかの動作に転換したりすると上手に弾けて、「よっしゃー」と喜びあいました。

思い返せば、レッスン中に走り回ることはなかったSくんでした。

 

Sくんとともに、私もレッスンで成長出来た気がします。

実際、彼のことが縁で「おけいこnavi」や「障がい児レッスン勉強会」に参加し、素晴らしいピアノの先生方とも出会いました。

これからのレッスンで、Sくんと得たものを活かしていきたいと思います。

 

終わりに

 

別れがあれば出会いもある春。

新しく出会った方々と、また新たなステージに向けてレッスンを楽しんでいきます。